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日中首脳会談のトリコになるな!     古森義久
■【緯度経度】古森義久 中国の対日姿勢に変化兆し

日中首脳会談の開催の見通しが日本側でまた一段と熱をこめて語られるようになった。だが中国側がその開催に前提条件をつけ、日本側が無条件のままで会談に応じてもらおうと訴える基本構図は変わっていない。日本側が中国側に請い求めるという感じなのだ。

しかし、米国の中国外交研究の超ベテランからは中国の対日、対アジアの両関係は日本側が考えるよりは脆弱(ぜいじゃく)で、中国首脳は日本側の譲歩なしに安倍晋三首相との会談に応じる展望が強いとの見方が表明された。


日本側の関心は、11月の北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、習近平国家主席が安倍首相と首脳同士として公式に2国間会談をするか否かに絞られてきた。

中国側は首脳会談について、日本側が尖閣諸島(沖縄県石垣市)への中国の領有権主張を認知し、「領土紛争は存在しない」という立場を変えることなどを開催の前提条件としてきた。だが日本側では首脳会談が2年以上、開かれていない事実だけをみて、「とにかく開催を」と政権に対中譲歩を迫る声も出てきた。

しかし、いうまでもなく首脳会談は対外関係ではあくまで手段であって目的ではない。目的は国益の堅持であり、拡大である。

こうした現状の日中関係での中国指導部の計算について、米ジョージワシントン大学教授のロバート・サター氏が分析を語った。

「中国は米国とアジアの同盟国、友好国との信頼の絆を少しずつ削るサラミ戦術をかなり成功させているが、なおオバマ政権の対中姿勢が最近、硬化して、対アジア関係をこれ以上、悪化させたくないという意向に傾いた形跡が濃い」

「現在の中国にとって年来の盟友の北朝鮮との関係が冷却し、南シナ海の領有権紛争での攻撃的言動でフィリピンやベトナムとの関係も険悪となり、対日関係を放置するとアジア外交全体が手詰まりとなる」

「中国のアジア外交は日本側が考えるより脆弱で、指導部内ではアジア外交全体の悪化や難題の打破のために、日本に対して軟化をみせても当面の関係改善を図ろうとする気配がある」

サター氏は以上の理由から、「中国はこれまでの前提条件要求を棚上げして、日本との首脳会談にまもなく出てくる見通しが強い」と予測するのだ。となれば、安倍首相がこれまで中国側の前提条件を排し、会談に応じなかった姿勢は正当化されることともなる。

サター氏は米国務省や中央情報局(CIA)、国家情報会議(NIC)などで30年以上、対中政策形成や中国情勢分析を専門にしてきた。民主、共和両党の政権で勤務した党派性の薄い研究者としても知られる。

同氏はオバマ政権の政策をめぐり、冒険主義的な行動を抑えるため中国側の弱点を突く具体的措置を取ることを最近、提言した。この思考に従えば、日本も香港での民主主義抑圧やウイグル人学者への弾圧ぐらいには、国政レベルで懸念表明があってしかるべきだろう。(産経・ワシントン駐在客員特派員)

杜父魚文庫
| 古森義久 | 08:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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