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京都・漢検・ハゲタカミシュラン 山堂コラム
京都に行ってきた。30年前、蜷川共産党府政から林田自民党府政に替わった節目の頃―――いっしょに回っていた地元紙の記者3人。皆もう歳だが達者で(口だけは)駅まで迎えに来た。祇園から上七軒と河岸を替えながら夜が更けるのも忘れて痛飲。

京都で起きていることは政治も社会も、当時からの延長線上。状況にすぐ入っていける。当時、「お東(東本願寺)」でのお家騒動。赴任したばかりのオラの落首

○ 東(ひんがし)のゼニかぎろひの慾立ちて 法主(ほっす)内局みなかたぶきぬ―――

寺社クラブに大書されて、京童の格好の話題になった。そんなことから始まって、最近までの洛中洛外のこと。日本レースや池坊、KBS(京都放送)のごたごた。白石古京や許永中、福本のとっつぁんや山段芳春といった懐かしい名前も出た。どこも尽きぬ話は人脈、金脈。

共産党候補が知事選の会見で「わが公約は護憲」と言った。「おう、護るちゅうたって、どこの国の憲法じゃい?」とやって民青に取り囲まれた話(殴られはしなかったが)・・・何時もお家騒動、揉め事の多い土地柄だが、今回は「漢字検定協会」。

「漢検」の騒ぎも、ひと言でいえばお東の時と同じ。○○検定なんて、怪しげなものを含めると全国に腐るほどあるだろう。資格なのか何なのか分からんが、漢検が目をつけられたのは要するに「ゼニかぎろひの慾たちて」だったから。

儲かる「蜜」に誘われて、怪しげなる紳士がぞろぞろと集まって来る。蝗(いなご)の如く。創業者を追い出して乗っ取ろうとする魂胆みえみえ。昔から京都を食いモノにする定番の乗っ取り屋。

漢検に続くいま京都でのもう一つの騒動が「ミシュラン」―――

これだって漢字検定と似たようなもの。もともとは毛唐のタイヤ会社がやっている食い物屋の「格付け」らしい。西洋かぶれの連中(グロバリ屋)が日本にも持ち込んだ。しかし何のカンバセあっての食い物の格付けよ。

「格付け」で儲ける魂胆は、ハゲタカファンドにみんなAAAなんぞつけた手口、実証済み。書かれる方は「悪口書かれてはタマランチ会長」。その心理に付け込んでのハゲタカさえ食い物にする阿漕な仏門商売。

「ぶぶ漬けもすぐき」も知らないムッシュやってきて「掲載の対象にしてあげようシルルプレ」と慇懃無礼な横柄さ。店は当惑するばかり。

だいたい1丁300円の豆腐。それでも南禅寺の木立見上げながら湯豆腐にして食えば4500円でもOKという地元。そんなところで「星1つ星2つ」なんてやったって意味はねえ。大星由良之助・鷺坂判内の「一力(万屋)」に至っては、江戸時代から「祇園街の妓楼だば、江戸っ子にはただ垂涎の的。滑稽本で茶化すだけ(格付け不可能)・蔵意抄」と決まっているのだニャロメ。

「一見お断り」の京都の店。本音はハゲタカの格付けで星なぞついて有象無象の客がどっと押し寄せてくるのが一番怖い。「悪貨は良貨を駆逐する」。一見の悪客、馴染みの良客を駆逐してすぐ飽きる。馴染みは戻ってこない。あとは安達ヶ原の枯野原。リーマンブラザーズやクライスラー。目に見えている。

ミシュランに載ろうが載るまいが、それ見て来た客は「見しゅらん」とばかり。三や古では断るに如かずなのだそうだ。

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