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外交を内政の道具にするな 古沢襄
鳩山首相の外交はパフォーマンスの域をでない。いうなら国内向けのポーズに終始している。だから理念の空回りに終わる可能性が濃い。基本的には外交音痴ということであろう。

その一例になるが、鳩山首相の「「日本は米中の架け橋になる用意がある」という”架け橋論”。これは米国務省高官から「対中外交は米国が独自に行うから結構だ」とにべなく斬り捨てられた。米中が軍事衝突の危機を迎えているのなら、微力でも日本は架け橋の心意気を示す必要がある。

だが現実はどうか。日本のメデイアは伝えていないが、この29日に米第7艦隊の空母ジョージ・ワシントンが中国領海に入り、9万7000トンの巨体を香港の埠頭に横付けにした。中国側は「「中国人民解放軍が空母ジョージ・ワシントンの香港寄港を認めたこと自体、意味がある出来事だ」と評価してみせた。

驚くことに米国は香港の各国取材陣約50人を船上に招いて取材を認めている。サッカーコート三面分はある長さ360メートル、幅92メートルの甲板には、早期警戒機や戦闘機スーパーホーネットなど航空機66機が並んでいた。米中接近の壮大なデモンストレーションといえる。

米国務省高官が「対中外交は米国が独自に行うから結構だ」と言う筈である。この現実をみると架け橋論が空しい言葉の遊びに過ぎないことが分かる。現実を知らない国民は、架け橋論の言葉に酔って拍手を送っている。幻想を振りまくものではない。

鳩山首相の東アジア共同体構想もそうだ。シンガポールのリー・クアンユー氏は東アジアの安定には「日米中3カ国のバランスが重要」と唱えてきた。東支那海や南支那海で中国海軍のプレゼンスが顕著となっている。アセアン(ASEAN)諸国には、それに対する不安感が芽生えている。

その現実を無視して岡田外相は米国抜きの東アジア共同体を言明している。「アジアの御意見番」と呼ばれるリー・クアンユー氏は、地域構想からの米国の排除は「重大な誤りだ」と厳しく警鐘を鳴らした。

基本的には安全保障政策という観点が欠落しているから、現実離れしたパフォーマンス外交が飛び出すことになる。架け橋論も東アジア共同体構想も実体がない国内向けのポーズに過ぎない。外交を内政の道具にするのは国を危うくするものである。

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| 古澤襄 | 07:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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